ゴヤの絵

プラド美術館で見た。この2枚の絵の前を何度も行き来した。
指や腕などの細かいところが描けず上手い画家でないが、すごい画家だ。

マドリード、1808年5月3日

一秒には死んでいる人たちを描いている。
上げている手の平に穴がくぼみがある。くぼみが自然に見えた。
このときは、じっと自分の手の平やら他の人の手のひらを見てくぼみがないのを確認してしまった。
後年、堀田善衛の小説を読んで、このくぼみがキリストが十字架にかけられた時の釘穴を表していると知った。
その人物の足はこちらを向いているが上半身は兵隊のほうを向いている。倒れている人の指は漫画の描き方のようだ。
しかし、すごい絵だ。


我が子を食らうサトゥルヌス

おどろおどろしい有名な絵だ。この目と老いと欲はゴヤしか描けない。
「腕」や「足」や「肩」や「子供は大人の女性に見える」や「光の具合」はアンバランスで下手に見える。
だがそんなことは知ったこっちゃない。どうでもよい。
とんでもなくすごい絵だ。

もう一度、行きたいなあ。